◆サスペリアの美女 第10回◆



「貴方はピエロの怪人に化け、鳥ゾンビ教授が持つ『食人族』のフイルムを盗み出し、
 皆の注目を集める様に逃げ去り、わざと帽子を落として金髪のカツラを見せた。
 これでサンドラ・ジュリアンに疑いの目が行くはずだった。」

「しかし、二つのミスをした。
 一つは食人映画に興味のない貴方は『食人族』と『人喰族』を間違えた。
 もう一つは、慌てた貴方は一気に地獄の門を通り抜けた・・・。」
「岸田君、それのドコがおかしいんだ?」
「私が彼に会って確証を持ったのは、この事です。
 サンドラ・ジュリアンの身長は、私と同じ180センチ。
 地獄の門を通るには、体をかがめなくては成らない。思い出してください、皆さん!」
「あの時のピエロは・・・かがめてない。」
「そうだ、その通りだ。」
「うん、うん。」ざわめく一同。
「この中で、体をかがめないで通れるのは・・・ロザリンドさん、貴方だけです。
 さらに駄目押しに、自分に予告状を出しましたね。」
教授が疑問を出す。「待ってください、岸田さん。そんな変化していく事態を見越して
 サンドラさんは、犯行声明や予告状を書いていたのですか?」
「いいえ、違います。警部、筆跡鑑定は、何と照合しました?」
「膨大な彼の原稿からだよ。」
「そう、彼は悪筆なのを気にして、ある人にあらゆる書面を代筆してもらっていた。
 ・・・そうですね、ロザリンドさん。」
「えっ、予告状は、ロザリンド婦人が書いていたのか、一杯喰わされた!」
「この一貫性のない行動に、私以外にもう一人疑問を持つ者がいた。」
「私の教え子の黒猫君だね。」

「はい。探偵趣味の彼女は、無謀にも貴方に揺さぶりをかけた。
 それを知ったダゴンは、ご褒美がもらえなくなることを怖れ、ジョギリを持ち出し
 ピエロの怪人となって彼女を殺害、上手い具合に貴方は盗難の被害者になった。」
「この件は、ロザリンド婦人ではないのか。」
「地獄の門を使わず、危険を犯して自動車で逃走しています・・・。
 そう、彼は貴方の役に立った。いや、立ちすぎた。
 彼は棺の中に入れた『スクワーム』を、火葬になる前に取り出し、隠し持ち
 コピー品と知らず、貴方をアパートに呼び出し渡そうとした。
 余計な事をした彼が、そろそろ邪魔になった貴方は
 銃器を使うナイトメア・シティ・ゾンビを使って殺害。同時にコピーテープも破壊した。
 そして、私に気付かれていたと思っていた貴方は、
 車から降りる時ジュースをこぼして、私の車クリスティーンを怒り狂わせた。
 しかし途中で気がついた私は、散歩派君に転落地点を無線で知らせ
 救助に来てもらっていたのです・・・どうです、ロザリンドさん?」     ―つづくー



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