◆サスペリアの美女 第2回◆




箱の中には、青いピエロの人形が入っていた。
「まぁ、気味が悪いわ。」
「何のつもりでしょう。」
ちち警部が箱の中を覗き込む。「ん、手紙が入っている。――メイター・サスペリオム。」
「何の事だろう、嫌なイタズラだな。」その場の空気が重くなる。
「ま、気晴らしに私のコレクションをお見せしましょう。ダゴン君、カーテンを開けて。」
「はい。」カーテンが開くと、数点のコレクションが並んでいる。
「これは『ビデオドローム』の、うねるテレビ。ビデオテープも、有りますよ。
 ・・・隣は怪奇俳優ボリス・カーロフの頭蓋骨です。」
「隣の小さいのは?」
「カーロフが5歳の時の頭蓋骨です・・・。
 これはルチオ・フルチ監督から譲ってもらった地獄の門です。」
「意外と小さい物なんですね。」体をかがめて覗き込む岸田。
「岸田さんでは、おでこをぶつけますわ。」
「ははは」場が、なごみだした。
「岸田君、気味が悪いな。僕には判らない趣味だよ。」
「警部、怪奇というロマンが人を引き付ける場合もあるのですよ。」

―その晩のパーティは無事終わったが、
  私は次の日ちち警部から驚くべき報告を受けた。―

「何ですって。mani氏が・・・。」
「そうなんだ。書生の言うには、地獄の門がちゃんと閉まって無かったらしいんだ。」
「えっ!アレは大道具で無かったんですか?」
「うん、本物らしいんだ。mani氏はゾンビに襲われて・・不憫な最後だったらしいよ。」
「事故死・・・でしょうか?」
「それなんだが、ピエロの人形の事も有るしねぇ。」
「ふむ。」――私には、ただの事故とは思えなかった。さらに、もう一つの事件が起こった。
食人族学の鳥ゾンビ教授の元にビエロの人形が届いたというのだ。――    
                                         ーつづくー




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