七人の侍
The Seven Samurai

1954年 東宝 206分(国により違い有り)

監督 黒澤明
出演 志村喬
    三船敏郎
    木村功
    津島恵子
    藤原釜足
    島崎雪子
    加東大介
    千秋実
    宮口精二
    小杉義男
    左ト全
    稲葉義男
    土屋嘉男
    高堂国典
    東野英治郎




お名前: みなーみ


「七人の侍」

DVD鑑賞中、うちの親父が、菊千代が村への旅の途中で渓流で魚を生け捕りするシーンを見て一言

父みなーみ「なんじゃこりゃ、こんな魚おかしいわ」
息子みなーみ「なんだよう、おかしかねーよ死んでるの生きてる風に演じてる所は無理あるけどさぁ」
父みなーみ「マスは明治以降、日本に入った魚じゃい!」

うわー親父黒澤明にケチつけてる、さすが元、否、現役釣りキチ三平、魚に関しては黒澤より強い!!




本題から随分離れてましたので、久し振りに一本
最近の僕の気分にもあってるので、いよいよ書いてみようかなと思います

黒澤明14本目の最高傑作、剛球中の剛球です
実は黒澤明監督この作品まで、こういう作品は無い確かにアクションエンターテイメント
として「姿三四郎」を素直に挙げる事も可能でしょうが、侍アクションの直球を投げたのは
この一本が最初でしょう、剛球という意味では「白痴」なんかもそうだと思うんですが・・・

このスレッドの最初に、リメイクしたらどうなるかなんて書いてましたが
恐らくこの熱さは再現出来ない、無茶してるもん

まぁ色々逸話に事欠かない大傑作ですが、みーんな知ってるでしょうから
パス、一つだけジミーな奴を挙げとくと

黒澤監督は、最後の決戦のシーンを撮影するさい冬の冷たい泥の中に長靴で粘り続けた結果
足が凍傷になり、その後一生、足の爪が真っ黒だったそうです

冬に撮影してんだよあのシーン正気の沙汰じゃねーよ!確かに時期的にもあっちゃいるけど!

黒澤監督の当初の脚本では、三船演じる「菊千代」がいなかったそうです
いまいち動かなかった物語がこのキャラが登場した途端に動き出したとか

写真のシーンの台詞、名シーンですが、このシーンの熱い長台詞にその何かがこもってますね
かつて友人が七人の侍はインテリと、大衆との物語とか言ってました
なるほど、解るっちゃ解る、でも多分考えりゃ考えるほどインテリ達のモチベーションが
どこかでストップしてしまう、だって現実の大衆の姿を目の当たりにしたら
頭でっかちの理想家達には耐えられんもんが有るわけで

こういう奇跡を起こす時、熱血は絶対に必要なわけだ情熱の無い所に奇跡は起きない

考えてみれば、この物語は必死必死のむき出しの必死さが次々と人間を動かして行く物語
と単純に言ってしまう事が出来るのかもしれない、村人の必死さが侍達を動かし
侍の出来損ないが必死になって、侍達の必死さに拍車がかかる
一人の熱血馬鹿が、その馬鹿熱血を周りの人間達に伝染させて行くことって現実にだってある
映画で言えば感動するってのは、その現象そのものだ

冷静に考えて「今の時代にゃ作れない」なんて事は簡単に言える事だが

僕は関係無いと思う

今だって七人の侍と同じ種類の感動をさせる映画を撮影する事はきっと可能だと思う

泥臭く、洗練されていない情熱が本当は必要な物だと、みんなが認めれば

とにかく見てくれ、観なきゃ話にならん!(逆境ナイン、不屈闘志の台詞より抜粋)

<お勧め度 5点満点中 3万5千点>



お名前: サンドラ・ジュリアン   

久々に熱く訴えてくる文章でした。
物語を面白くするのは完成された人間でなく、不完全なれど熱い人間なんですね。
そして情熱、必死さ、努力が分かるからこそ作り物の映画が面白くなっていくのでしょう。

しかし『七人の侍』の台詞って聞き取れなのが多々ありますなあ。
『ゴジラ』もですが昭和29年と昭和30年とでは
東宝の録音方式に何か大きな違いがあるのでしょうかね?



お名前: ダゴン217   

『七人の侍』、確かにセリフを聴き取るだけで疲れます。
観終わってから別の映画を観たりすると、同じ日本語なのに全然別の言語を聞いている
ように感じますし。
しかしまぁ上の音声聴いて「あれ?思ってたほどでもないぞ」って思ったことだし、
オススメ点数も3万点付いてることだし(笑)、年末久々にLD引っ張り出すか!



お名前: みなーみ   URL

【光学モノラル音声】
1943年の『姿三四郎』から1957年の『蜘蛛巣城』までの作品は、映画黎明期からの基本的な仕様である光学モノラル録音方式です。この方式も、途中作業の段階でテープレコーダーが使われる様になる前と後では大きな違いがあります。
テープレコーダーが登場する以前、『姿三四郎』から『七人の侍』までは、画面を見ながら音楽を演奏し、同時に、台詞、効果をミックスしてフィルムに焼き付けるという、スリリングな一発勝負のダビング(音付け作業)でした。『七人の侍』で、画面を見ながら音楽を演奏する脇で、同じく画面に合わせて効果マンが、木枠の中のぬかるんだ壁土に飛び込んでいたというのは有名な話です。
東宝撮影所には、テープレコーダーは『七人の侍』の時、東通工のKPという型番のものが持ち込まれています。しかしまだ未知数のこの機械は本番には使用されず、音楽を試験的に録音することのみに使われました。しかしこのおかげで『七人の侍』の音楽はテープとして残ることになります。
『生きものの記録』からテープレコーダーは本格的に使われる様になります。音楽も効果も事前に録音し、ダビングの時はテープで再生する様になりました。一発勝負のスリリングなダビングは姿を消すことになります。『姿三四郎』から『蜘蛛巣城』までは、完成された光学モノラルの音声(フィルムの完成音)のみが残されています。従って、この時期の作品に関しては、ひたすら光学ノイズの除去に徹し、音をクリーニングしました。

黒澤DVDボックスの公式ページに詳しい事が書かれてます上記の文はそこからチョッパッテきました
音声が駄目な人には今レンタルしてる最新のDVDがお勧めです



お名前: サンドラ・ジュリアン   

え〜、この頃でも光学録音だったんですか。
それでも音は悪いですよね、同時代の他作品と比べても悪いのは
集音マイクが役者に近寄れないシーンが多いからでしょうかね?
とりあえずの謎は解けました、有難う御座います。
それにしても御紹介の所には、東宝特撮を研究する者には突き当たる壁の
パースペクティブ・ステレオフォニック・サウンドについて書かれているが嬉しいなあ。



お名前: みなーみ


適当な推測ですが、当時の音声はアフレコが多かったと思われます
(オーケストラの横で壁土に飛び込んでる人がいるわけで・・・)
光学モノラルと言う点もそうですが
なんせ、撮影が延びまくった作品ですし、同時代の他の作品と比べてもキツイ音声なのは
音作りには余り時間が割けなかったという、ちょっとツマラン答えがあるのかもしれません

「侍のテーマ」を聴いていても明らかに場違いな「パフッ」てな音が入ってるし

いつものお得意の妄想推理ですが、ちょっと自信あり



お名前: みなーみ


いやぁ、今意識して観てみましたけど、台詞にアフレコッポイ雰囲気無いなぁヤッパ・・・

取りあえず、アッサリ前言撤回、謎ですね




菊千代の台詞
こいつぁいいや。
やいおまえ達! 一体百姓をなんだと思ってたんだ?仏様だと思ってたか。ああ?
笑わしちゃいけねえや。百姓くらい悪ずれした生き物はねんだぜ!
米出せって言や無え。麦だせって言や無え。何もかも無えって言うんだ!
ふん。ところが有るんだ。何だって有るんだ。床板ひっぺがして掘ってみな!
そこに無かったら納屋の隅だ!出てくる出てくる。瓶に入った米!塩!豆!酒!
山と山の間へ行ってみろ!そこには隠し田だ!正直面してペコペコ頭下げて嘘はつく!
なんでもごまかす!どっかに戦でもありゃすぐ竹槍作って落武者狩りだい!
よく聞きな!百姓ってのはな!けちんぼで、ずるくて、泣き虫で、意地悪でまぬけで、
人殺しだあ!ちくしょう!おかしくって涙がでらあ!
だがな、こんなケダモノ作りやがったのは一体誰だ?おめえ達だよ!侍だってんだよ!ばかやろう!
ちくしょう…戦のためには村は焼く!田畑踏み潰す!食い物は取り上げる!人夫にはこき使う!
女あさる!手むかや殺す!一体百姓はどうすりゃいいんだ!百姓はどうすりゃいいんだよ!
ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう





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