お名前:みなーみ

<番外>

「西鶴一代女」

「いやあ、女に背中を切られるぐらいじゃないと、女は描けませんよ」

溝口健二監督がインタビュー等でチョクチョク自嘲気味に言っていた言葉

             なんだとこの野朗!

僕はこう言う事を言うやつは、ハッキリ言って苦手だ
こんな事を平気で言える野朗の作品なんてロクナもんじゃねぇだろう
しかしなんと言っても世界の溝口、代表作ぐらい観とかん事には話にならねぇ!
よし観てヤロウジャねぇか!コンチクショウメ!

             で観た

1952年新東宝の言わずとしれた井原西鶴「好色一代女」を映像化した作品である
田中絹代43歳、いやぁやっぱ前半部の主人公、お春の娘時代は無理があるなぁ、まぁシカタネェ
しかし三船敏郎は、なんかいつもとゼンゼン違う、主人公お春に恋焦がれる身分の低い若党侍を
切々と演じている、ビックリこんな演技も出来るんだ三船!京都弁もすげぇ自然だ!

             三船敏郎すげぇ!

とにかく物凄い勢いで美しいお春は不幸になって行く

若党侍との身分違いの恋を不義密通とされ、京都から追放されたお春は色々あって大名の子供を産んだり
島原に売り飛ばされたりとにかくまぁ色々あった挙句、最後は京都の寺町を徘徊する夜鷹にまで転落する
この荒れ果てた京都の町並みのセットは非常に重厚なものでスゴイ圧力がある

             水谷浩の美術すげぇ!

ここからが圧巻である、実は物語は、まずここから始まっているココまでの話は全て夜鷹の回想シーンなのだが
ようはここまでは、この映画のネタフリにすぎないのである
夜鷹の集団に拾われたお春は五十を過ぎて自分を売る為に着飾るのだがここで描かれる夜鷹達の日常の風景は
これは「赤線地帯」でもそうだったが、もう溝口の独壇場と言ってよい世界だ
黒澤監督が描く白塗りの女郎とはマルデ違うものだモットリアルで醜悪だが、肉もあり骨もあるそして強い

京都の御所に上がる身分から他人に振り回され世の中の最底辺
まで落ちて来たお春、寺の羅漢像に初恋の若党の顔を思い出し、涙、味があるすげぇ

             田中絹代すげぇ!

気づけば夜の二時である、なんだかシラネェけどオイオイ一気に見ちまったぞ、なんでだ?そんな面白ぇ話でも
なんでもないのにえぇーーー!

             溝口健二すげぇ!

<お勧め度 5点満点中 2点>



お名前:みなーみ

「素晴らしき日曜日」

「おれは、敗北の歌は歌わない」

黒澤明と幼馴染の植草圭之助が、酔いどれ天使のラストを男女の心中にしようと
した時、言い放った黒澤監督の言葉、これで幼馴染二人の対立は決定的になる

この作品も微妙と言えば微妙、黒澤教徒とそうでない人を分ける作品かもしれない
感動してしまった人は、黒澤作品を全網羅しよう(笑)

1947年、東宝製作、貧乏な若いカップルがスカンピンで日曜をどのように過ごすかという話だ

ドラマの前半から三分の二ぐらいは、男の方が落ち込みまくりでどうしようもない
とにかく何をやってもうまく行かない、けれども彼女は健気に彼氏を元気づけようと頑張る
何とか景気付けようと音楽会へと足を運ぶがダフ屋に安いチケットを買い占められ
彼氏が、ぶん殴られるに至って二人のイワユル「もうダメポ感」は最高潮に達してしまう

そんでもって、彼女を下宿に連れ込んだ彼氏は「鬱だ、やらないか?」ってなもんで
なし崩し的に彼女に関係を迫るが泣きながら彼女は出て行ってしまう
(どうでもいいけど、以前バカにしたけど、俺もたいがい2チャンネラだよ・・・)

改めて彼女の大切さをしみじみ感じる男、戻った彼女が初めて声を出して泣く
好きな男に元気を出させてやれない事が悲しいってわけだカワイイじゃねぇか、
うっ不覚にも涙腺に来た・・・

で仲直りした二人は立ち寄った喫茶店でボッタクラレチャッテ、足りない分をレインコートで払わされる

ここまでの流れだとまた男はダメになってしまう筈だが、逆切れする

「あんなのコーヒーじゃねぇや!ただの茶色い水だぁ!」

夢を語り始める男、彼女は嬉しくてしょうがない、カワイイじゃねぇか(以下略)

そしてこの映画の最大の問題点のシーンがやってくる
音楽堂に彼女を連れてきた男は彼女に想像の音楽会を聴かせようとするが
ここでまた現実に引き戻され、また鬱になってしまうなんとココで彼女は涙ながらに映画を観ている
観客に語り掛けてしまうのだ!

「私達のような貧しい恋人達を励ます為にどうか拍手をして下さい!」

正直、何年か前に観た時はズッコケタ、女優さんも特に綺麗なわけじゃぁ無いし何より地味な話だもんね
"何考えてんだ黒澤!だから説教臭いとか、言われちまうんだよぅ!"
このシーン当時、日本では失敗したがフランス辺りでは成功したそうな、まぁこれも有名な話

コレ迫力のあるシーンだと今は、そう思う。
金のアリガタミとか解っちゃったからだろうなぁ、僕も年食っちゃったもんだ

でまぁ色々あって無事想像の音楽界は続行され彼氏は自身を取り戻しメデタシメデタシと言う訳である

この問題のシーンだが、その直前までの展開が実にフラストレーションが溜まる内容となっており
主人公達は負けっぱなしで観客が男に対して嫌悪感を抱くところまでそれは続けられる
だから逆切れして前向きになろうとした男が再び負けそうになる所で彼女の為に拍手をしたくなるだろう
と言うのが若き黒澤監督の計算だったのは明白だ
つまる所このシーンを成功させる為に初めからほぼ三分の二近くは非常に「我慢」を強いられる
内容となっている、でもこの一連のシーンで男が歯を食いしばって立ち上がる事で
この写真が「敗北の歌」で無いことは明確になる

世の中つらい事だらけ、だからって鬱になりっぱなしじゃぁ何にも出来ない!逆切れしてこそ男!

黒澤監督は「逆切れキャラ」が大好きである。
改めてそんな事を言うのもバカバカしいがソウ言う意味では実に同監督らしい作品である
それは、つまる所、監督本人もそうだったからではあるまいか、
鬱に陥りがちな自分にムチを入れ、歯を食いしばって彼は夢を語り創造し続けた必死に!だから黒澤監督は意地でも

「敗北の歌は歌わない」

少なくとも当時は、そういう事だったのだろう僕は好きだなそういうのウム。

シカシ監督本人がダメになった時期の本音の作品である「どですかでん」
の浮浪者親子が、なぜかこの映画の二人を連想させるのは、ちょっと皮肉な話である

<お勧め度 5点満点中 2.5点>



お名前:みなーみ

<番外>

「Kill Bill vol.1」

今更だがvol.1観た、マニアックな部分が解らない僕みたいのには、楽しみきれ無かった
まぁやり過ぎで笑えるとはいう物の殺しっぱなしの映像があぁダラダラ続くのは・・・
別に殺人のシーンに必然性が無ければならないとは思わないが
血が出ようが首が飛ぼうが、あれはダラダラ続くという感じがどうしても・・・

館長クラスのマニアの方には、オマージュのシーンが多くてvol.1で十分だって話だが
タランティーノは日本のシーンにコダワリ過ぎだと思う、あの日本料理店みたいなセットは
短いシーンでパット使われた方が良い効果を生むと思う
後編の内容を聞いていると個人的にはこの映画3時間半ぐらいの長編作品として一本になっていた
ほうがバランスの取れる物になったのではないかなと思うのだが・・・

実際知識抜きでも栗山様のゴーゴーとか、トラックスーツのユマサーマン、ソニチバと
笑えたり嬉しかったりの要素が大盛りテンコモリなのは事実なのでいいのはいいしかし
オーヤマの生い立ちの解説アニメ、ネタとしては面白いけど、映画としては余計だと思う
実際、vol.2の噂を聞いてると僕は逆に2本目を観ないとダメダなこりゃと思った

見た目は派手だがこれはアクマで起承転結の起承に過ぎないと思う
まぁ子連れ狼を一本の映画でやろうとしてるわけだから、長くなるのは当たり前
でも出来ればワカトミ版の子連れ狼のように最初からシリーズになるのを前提とした
シナリオ構成の作品であってくれたら良かったのになぁと思った

<お勧め度 5点満点中 保留>


追記

ストーリーとして単独で評価出来る作品では無いと思う案外後編で、イッキに引き込まれる可能性は
実は感じている。






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